「秋になるとやたら眠い」「仕事中にぼーっとする」。それ、日照時間の短縮・気温差・自律神経の乱れが重なった“季節性の眠気”かもしれません。
なぜ秋は眠くなる?主な原因
1. 日照時間の短縮でメラトニン増
秋は朝夕の光が弱まり、体内時計を同調させる朝の光刺激が不足しがち。結果としてメラトニン分泌リズムが後ろ倒しになり、朝の眠気・午前のだるさが増えます。
2. 気温差&気圧変動で自律神経が疲労
昼夜の寒暖差や低気圧の通過が増える時期。交感神経と副交感神経の切替が忙しくなり、眠気・倦怠感・頭重感を感じやすくなります。
3. 夏の睡眠負債の“ツケ”
夏の寝苦しさや不規則な生活の影響が残り、累積した睡眠不足(睡眠負債)が秋に表面化することも。
4. 食習慣の変化と血糖値の乱高下
「食欲の秋」で炭水化物・甘味が増えると、食後の血糖値スパイク→反動低下で強い眠気が出やすくなります。
要注意サイン(病院受診の目安)
- 日中の強い眠気で居眠り運転・転倒リスクがある
- いびき・無呼吸を指摘された/朝の頭痛・口渇が続く
- 抑うつ気分が2週間以上続く/興味や意欲の低下が顕著
- 体重変動・動悸・むくみ・貧血症状(立ちくらみ等)がある
思い当たる場合は睡眠外来・耳鼻科・内科などで相談を。
今日からできる対策(行動チェックリスト)
朝(起床〜午前)
- 起床直後にカーテン全開:屋外光を2,000〜10,000lx目標(ベランダOK)
- 白湯+軽いストレッチ:自律神経をスムーズに切替
- たんぱく質の朝食:卵・納豆・ヨーグルト等で覚醒を後押し
昼(仕事・学習中)
- 食後ウォーク10〜15分:血糖値の乱高下を抑える
- パワーナップ20分以内:14:30まで、コーヒー併用可
- 水分+電解質:だるさの裏に隠れ脱水が多い
夜(就寝前90分〜)
- 入浴は38〜40℃で10–15分:入眠前に深部体温をゆるやかに下降
- 照明は電球色・低照度:ブルーライトは1時間前にカット
- 就寝・起床は毎日同時刻:休日の寝だめは±1時間以内
環境設定(通年)
- 寝室18〜20℃/湿度40〜60%目安
- 枕は「仰向けで気道が保てる高さ」
- アルコールは就寝3時間前まで・カフェインは14時まで
おすすめ1日のルーティン
時間 | 行動 | ねらい |
---|---|---|
7:00 | 起床→朝日浴び5〜10分→白湯→ストレッチ | 体内時計のリセット/交感神経のスムーズな立ち上げ |
7:30 | 高たんぱく朝食(卵・納豆+全粒穀物) | 覚醒維持・血糖安定 |
12:30 | 昼食→10〜15分歩く | 食後の眠気対策 |
14:00 | パワーナップ(最大20分) | 午後の集中力回復 |
21:30 | 入浴→ストレッチ→デジタル断ち | 副交感神経優位へ移行 |
23:00 | 就寝(毎日同時刻) | 体内時計の固定 |
眠気を左右する食事&飲み物
おすすめ
- 低GI主食:玄米・雑穀・全粒粉
- たんぱく質:魚・鶏むね・卵・大豆
- トリプトファン+B群:バナナ・納豆・チーズ
- 水+電解質:麦茶・経口補水液(状況に応じて)
控えたいもの(特に夜)
- 高糖質+高脂質のドカ食い(血糖乱高下)
- カフェインの遅い時間帯摂取(半減期に注意)
- アルコールの寝酒(中途覚醒・深睡眠低下)
よくある質問
Q. どれくらい朝日を浴びれば効果がありますか?
目安は5〜15分。屋外に出られない日は窓辺でもOK。毎日同じ時間帯が理想です。
Q. 昼寝は何分まで?いつまで?
20分以内・14:30まで。それ以上は夜の睡眠圧を下げてしまいます。
Q. それでも眠気が強い場合は?
いびき・無呼吸、強い日中の眠気、抑うつ徴候があるなら受診を。貧血・甲状腺・睡眠時無呼吸などの可能性も評価しましょう。
まとめ
秋の眠気は、光不足・気温差・自律神経の乱れ・食事と血糖の波が重なることで起こりやすくなります。
朝日・規則睡眠・軽運動・食後ウォーク・環境調整の5本柱で、今日から整えていきましょう。